ちょっと古い話ですが、昭和の時代、演歌でも歌謡曲でも歌の伴奏には必ずと言っていいほどサックスが入っていました。
最近でこそアップテンポの軽い音楽を奏でるJポップなどでは少なくなりましたが、ちょっと渋めの音楽にはサックスるが使われます。
サックスは、哀愁ただよう音色、甘い音色など好きな人にはたまらないですよね。
トムスコットが吹く「Taxi Driver のテーマ」は泣けてきます。
根強いサックスファンも多いはず。
そんなこんなでサックスを始めてみたい方も多いでしょう。
特に中高年の男性、男性ばかりでなく女性も。
そこで、この記事ではサックス初心者のよくある疑問や、これから始めたい方の不安にお答えします。ぜひ参考にしてください。
サックス初心者 サックスの種類・特徴・必要なもの・誰でも吹ける?
サックスの種類・特徴
一言に「サックス」といっても種類は様々。それぞれに特徴があります。
よく使われるサックスは、ソプラノ、アルト、テナー、バリトンの4種類。
上の絵で左から右の順番。これは高温域の楽器から低温域の楽器の順番になります。
アンサンブルでよく使われるのはアルト、テナー、バリトンでしょう。
4種類の中では左端のソプラノサックスがもっとも高音域で、右に行くにしたがって低音域になります。
細かく言えば、左端のソプラノサックスの上にはさらに高音域のソプラニーノ、右端のバリトンサックスの下にはさらに低音域のバスサックスがあります。
ソプラニーノは日本では渡辺貞夫さんが有名。他に吹いている人はいないでしょう。
バスサックスに至ってはめったに見ない巨大な楽器です。持ち運びには重量挙げ並みの力が必要とか。
ソプラノサックス
・特徴:高音域で演奏される小型のサックス。明るくクリアな音色が特徴。
・メリット: 鮮やかな高音を出しやすく、ジャズやクラシック音楽でよく使用。
・デメリット: 音域が狭く、まあ音程が取りにくいので演奏が難しい。
・有名な演奏者: シドニー・ベシェ、ジョン・コルトレーン、ケニー・ギャレット、ケニーGなど。
アルトサックス
・特徴:中音域で演奏されるサックス。明るく伸びやかな音色が特徴。
・メリット: 扱いやすく、ジャズ、ポップス、クラシックなど幅広いジャンルで使用。
・デメリット: 高速演奏時には一部の音域が若干難しいことがあります。
・有名な演奏者: チャーリー・パーカー、フィル・ウッズ、渡辺貞夫、その他多数。
テナーサックス
・特徴:中音域で演奏されるサックス。深くパワフルな音色が特徴。
・メリット: 柔軟な音域を持ち、ジャズ、ブルース、ロックなど様々なジャンルで使用。
・デメリット: パワフルな演奏ができる分、演奏者には肺活量などアルトサックス以上のパワーが求められる。
・有名な演奏者: ジョン・コルトレーン、スタン・ゲッツ、ソニー・ロリンズ、その他多数。
バリトンサックス
・特徴:低音域で演奏される大型のサックス。重厚で豊かな音色が特徴。
・メリット: 独特の低音域での表現が可能で、ビッグバンドやクラシック音楽で重要な役割を果たします。
・デメリット: 大きく重いため、持ち運びや保管には大きなスペースが必要。演奏者には肺活量などテナーサックス以上のパワーが求められる。
・有名な演奏者: ギル・エバンス、ジェリー・マリガンなど。
初心者にはアルトサックスがおすすめ
サックスの種類に挙げた4種類の中で最もポピュラーなのが「アルトサックス」。
そして、次の理由から初心者に最もおすすめなのがアルトサックスです。
・人の声に近い中音域の音であること
・人が好む明るく伸びやかな音色であること
・重量が比較的軽く持ちやすいこと
・初心者が一番吹きやすいこと
サックスとしてはテナーサックスも人気ですが、ちょっと大きく重いことや吹くのにパワーが必要なことなどが減点材料です。
アルトサックスおすすめの価格帯
アルトサックスは人気の楽器なのでメーカーや種類も豊富。
現在売られているものは、安いものから高いものまで色々なメーカーのものがあります。
初心者としては「続くかどうか不安」という気持ちがあるので、まずは安い楽器で…と思いがちです。
ですが、5万円以下の楽器の場合は不良品が多く、音を出す段階でうまく鳴らないという問題が多くなります。また安物は故障も多くなります。
そうなるとすぐにその楽器がいやになります。買い替えたくなります。結局高くつきます。
サックスはデリケートな楽器なので、安物は避けましょう。気に言えば何十年も使えます。
信頼できるメーカーのもので10万円を超えるものを選ぶと安心です。
高いのは嫌だな~という方は、中古品も狙い目です。
楽器屋さんが販売している中古品だと、専門家がメンテナンスをしてくれていますし、プロの鑑定書がついているものもあります。
同じ10万円を出すなら、新品の初心者モデルより中古品のハイグレードモデルという方もいます。
私もアルトサックスは新品を買いましたがテナーサックスは中古品を買いました。信頼できるスジから買ったので全く問題ないです。
なお、楽器店で新品を買うならできればサックスの経験者について行ってもらうのがおすすめです。
同じように造られた楽器でもそれぞれ個性があり、経験者に試奏してもらえれば安心です。
余談ですが、私が買ったテナーサックスの「信頼できるスジ」というのはニューヨークで活躍していたプロミュージシャンです。
テナーサックスはその人に頼んでニューヨークの楽器店で選んでもらいました。それなりの報酬は支払いましたが。
楽器以外に必要なもの
サックス本体を買うと基本的にはケースが付いてきます。
まさか、マルっと裸で楽器が届くことはないと思いますので…(笑) ですがそれ以外にも、
・リード
・ストラップ
・チューナー
が必要になります。
ストラップとリードは新品を買うと楽器店がおまけで付けてくれることもあります。
リード
リードは葦(あし)を加工して作ったものでマウスピースに取り付けます。
マウスピースもサックスを買うと初心者用のものが付属しています。
サックスは吹くとマウスピースに取り付けたリードが振動して音がなります。
リードは消耗品でへたってくると音が悪くなります。
ストラップ
サックスは、首にストラップをかけ、ストラップの先にサックスを吊るして演奏します。
つまり、サックスを首からぶら下げ、サックスの重量を首で支えることになります。
このため、比較的軽量なアルトサックスが初心者や高齢者に向いているんですね。
これがテナーサックスであると、重量が重いので長時間演奏していると首が痛くなり肩が凝ります。
チューナー
チューナーはサックスのチューニングに使用する器具で必須です。
チューニングはマウスピースの挿し込む深さを調整して行います。
チューニングは、他の楽器と合奏する場合にはもちろん、普段から正しい音感を身につけるためにも習慣化しておきます。
チューナーの市場価格は3,000円程度です。
なお、調律されたピアノがあればチューナーの代用になります。
だれでも吹ける?
ご安心ください。
アルトサックスは、とっても音を出しやすい楽器です。
初心者でも息を吹き込めば何か音が出ます。ですから、「音が出ない」と悩むことはほとんど無いでしょう。
ただ、「いい音が出る」かどうかは別です。
「いい音が出る」ようになるためには正しい練習が必要です。
サックスの防音対策
吹奏楽器というと、やっぱり「近所迷惑では?」と考えてしまいます。
そこで、アルトサックスの音量について。
結論。けっこう大きな音が出ます。
だいたい、100デシベル以上の音量と言われています。これって騒音レベルです(笑)
マンションでもお隣に聞こえます。
日中のワチャワチャした時間帯ならあまり気になりませんが、深夜など、静かな時間帯だとけっこう聞こえます。
ただし、ご安心ください。ミュートと言われる音量を下げる防音グッズもあります。
楽器にカポっとかぶせて、ヘッドフォンをするという仕様になっています。
中の音がご自身には聞こえていますが、周りには話し声程度の音量しか聞こえません。
これならご近所さんも迷惑になりませんね。
その他、この音の問題に関しては、次のような対策も可能でしょう。
・音が気になるところでは、なるべく小さい音で吹く。
・貸しスタジオやカラオケボックスで練習する。
まとめ
この記事では、これからサックスを始めたいサックス初心者を対象として、サックスの種類と特徴、サックス本体以外に必要なもの、誰でも吹けるのかどうか、サックスの防音対策について解説しました。
私は長年サックスを吹いていますが、少しでも吹けるようになるととても楽しい楽器です。
私の場合、ほぼ独学というかたちですがこれは加入した軽音楽部の先輩や技術の優れた同僚達に教えてもらったからできたことです。
そういう環境が得にくい方はやはり優れた人から習うのが一番の上達の近道だと思います。
この記事を書いた人
定年退職した高齢者 いつも音楽と楽器がそばに
・小学生高学年→姉の影響で初めてギターを演奏
・中学生→小遣いでウクレレを買って演奏、通信教育でクラシックギターを習う
・高校生→フォークソングブームでフォークギターを演奏
・大学生→中古のアップライトピアノを買い、軽音楽部のジャズのビッグバンドでテナーサックスを演奏
・社会人→エレクトリックピアノを買い、社会人バンドでテナーサックス、アルトサックス、フルートを演奏
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