転職先・キャリアパスとしての特許事務所 知財の転職7つの事例

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仕事

会社員の職種の一つには、特許、意匠、商標などの知的財産を扱う特許技術者があります。

技術系の人なら一度は聞いたことがありますよね。

特許技術者には一般の事業会社で働く人や特許事務所で働く人がいます。

人は、仕事が向いていない、職場環境がひどい、給料が安い、将来が見えないなどと感じたとき転職したくなりますよね。

そんなとき、転職先の一つとして特許事務所の特許技術者を検討されてはいかがでしょう。

特許技術者としての適性があり、転職が成功すれば、人生が好転する可能性があります。

また、現在特許事務所で特許技術者として働いている人は、今の特許事務所をキャリアパスとして利用し転職することにより、さらに人生が好転する可能性があります。

この記事を書いた私も事業会社の従業員から特許事務所の特許技術者へ転職した者の一人です。

この記事ではそれら転職の7つの事例について特許技術者35年の経験から解説します。

この記事は、特許技術者への転職希望者の方、現在特許技術者であって転職希望の方の参考になると思います。

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  1. 転職先・キャリアパスとしての特許事務所 知財の転職7つの事例
    1. 転職先としての特許事務所
      1. 事例1:事業会社の従業員→特許事務所の特許技術者へ転職
        1. 転職に至った理由・状況
        2. 特許事務所・特許技術者への転職による変化
        3. コメント
        4. 特許事務所・特許技術者への転職で注意すべきこと
    2. キャリアパスとしての特許事務所
      1. 事例2:事業会社の従業員→特許事務所の特許技術者→事業会社の知的財産部へ転職
        1. 転職に至った理由・状況
        2. 事業会社の知的財産部への転職による変化
        3. コメント
      2. 事例3:事業会社の従業員→特許事務所の特許技術者→事業会社の知的財産部へ転職(事例2と同様)
        1. 転職に至った理由・状況
        2. 事業会社の知的財産部への転職による変化
        3. コメント
      3. 事例4:特許事務所の特許技術者→事業会社の知的財産部へ転職
        1. 転職に至った理由・状況
        2. 事業会社の知的財産部への転職による変化
        3. コメント
      4. 事例5:特許事務所の特許技術者志望→国内事務担当→弁理士資格取得→事業会社の知的財産部へ転職
        1. 転職に至った理由・状況
        2. 事業会社の知的財産部への転職による変化
        3. コメント
      5. 事例6:特許事務所の特許技術者→事業会社の知的財産部へ転職
        1. 転職に至った理由・状況
        2. 事業会社の知的財産部への転職による変化
        3. コメント
      6. 事例7:特許事務所の特許技術者→ランクが上の特許事務所の特許技術者へ転職
        1. 転職に至った理由・状況
        2. 他の特許事務所への転職による変化
        3. コメント
    3. 転職エージェントの利用
  2. まとめ

転職先・キャリアパスとしての特許事務所 知財の転職7つの事例

・キャリアパス:キャリアアップへの道筋、ルートのこと。

・事業会社:営利を目的として経済活動をする会社。一般的に金融以外の事業を行う会社のことを指す。

私が定年まで勤めていた特許事務所は、関西では大手、全国的には準大手といった事務所です。以下では準大手事務所として説明します。

転職先としての特許事務所

事例1:事業会社の従業員→特許事務所の特許技術者へ転職

これは私の事例です。

転職に至った理由・状況

1980年代半ば。小さい建材メーカーに勤務。安い給料、残業続きで疲れ果てていた日々。3年間がんばってみたけど、今の仕事そろそろ限界かなという思い。あまり深く考えずに適当に就職してしまった罰か。

狭いアパートの一室で新聞を広げて見ていた求人欄。目に留まったのが「○○特許事務所 週休二日制 未経験者可」の文字。これかなと思い求人に応募。

あれから35年、特許事務所で特許技術者として働き、65歳で定年退職しました。

特許事務所・特許技術者への転職による変化

転職前の会社があまりに酷(ひど)かったせいか、いろいろな面で人生が好転しました。具体的には下記です。

・仕事が向いていることを実感した→毎日出勤するのが苦痛ではなくなった。

・残業代は残業時間に応じて確実に支払われるようになった(以前の会社では残業のほとんどがサービス残業であった)。

・給料は年を追うごとに上昇して行き、ピーク時には大手企業並みとなった。

・年次有給休暇を取得しやすくなった。

コメント

中小企業からの転職事例ですが、私の転職は成功でした。

なお、特許技術者の仕事がとても楽だったということはなく十分苦労はしました。

特許事務所・特許技術者への転職で注意すべきこと

・特許技術者は、自分に向いていると実感しても決して楽な仕事ではない。

・特許事務所は、事業会社よりも所長(会長)(事業会社の社長(会長)に相当)の人間性が色濃く出やすい→転職前には転職先の評判(ブラック事務所でないかどうか)等に十分注意することが必要。

・退職金は退職金規定があっても大手企業並みを期待できないことが多い。

キャリアパスとしての特許事務所

事例2:事業会社の従業員→特許事務所の特許技術者→事業会社の知的財産部へ転職

これはAさんとBさん(特許技術者の後輩)の事例です。

転職に至った理由・状況

AさんとBさんは当事務所で非常に優秀な特許技術者でした。10年に一度出会うかどうかぐらいの逸材。

2人とも事業会社から当事務所への転職者。2人のキャリアは5~10年。性格は2人とも温厚。

そばで2人を見ていた私は2人の仕事に太鼓判を押していましたが、給料面ではあまり評価されていなかったようです。

また、当時の当事務所の上層部(課長・部長・副所長クラス)は、若くて日本のトップクラスの大学出者(何人かは経験年数が少ない人)によって固められていました。

これでは下の人にはなかなか順番が回って来ないですよね。

その後、2人は事業会社の知財部(知的財産部)に転職→転職先は誰もが知っている優良な大企業。

事業会社の知的財産部への転職による変化

Bさんからの話では転職後の給料はうなぎ上りとか。元々優秀な人だったので十分理解できます。想像するにAさんについても同じような状況かと。

コメント

特許事務所で特許技術者としての十分な力を付けた。しかし待遇面での評価が低いと感じる。当分の間、待遇面の改善は期待できないと判断。→事業会社の知財部への転職も検討すべきでしょう。

事例3:事業会社の従業員→特許事務所の特許技術者→事業会社の知的財産部へ転職(事例2と同様)

これはCさん(特許技術者の後輩)の事例です。

転職に至った理由・状況

Cさんは、AさんBさんとは異なり、普通程度に仕事ができる特許技術者。キャリアは5年程度。性格は温厚ですが思い込みやすいタイプ。

当事務所での評価はあまりいいとは言えず、低い給料に悩んでいました。

そこで、事業会社の知財部に転職→転職先は東証一部上場(当時)の誰もが知る老舗企業。

事業会社の知的財産部への転職による変化

Cさんからの話では、転職後に給料が大企業の平均並み程度に上がったとか。

転職先には特許事務所でキャリアを積んだ特許技術者がほとんどいなかったので非常に重宝がられたようです。

コメント

特許事務所で特許技術者としての十分な力を付けた。しかし待遇面での評価が低いと感じる。当分の間、待遇面の改善は期待できないと判断。→事業会社の知財部への転職も検討すべきでしょう(事例2のコメントと同じ)。

事例4:特許事務所の特許技術者→事業会社の知的財産部へ転職

これはDさん(特許技術者の後輩)の事例です。

転職に至った理由・状況

Dさんは、小さい特許事務所から準大手である当事務所への転職者。性格は温厚。

当事務所でのキャリアは4年程度。当事務所での評価は中の下といったところ。

その後、事業会社の知財部に転職→転職先はテレビCMでよく見る非常に知名度の高い東証一部(当時)上場企業。

事業会社の知的財産部への転職による変化

Dさんは、転職先では知財管理の仕事をしているとのこと。

当事務所在籍中は元気とは言えない状態でしたが、転職後に出会ったときはまるで別人、水を得た魚のように生き生きとしていました。

コメント

Dさんは、準大手である当事務所での4年のキャリアが認められて転職に成功したようです。

4年間当事務所で苦しんだのでしょうが、好きな知財の仕事を諦めずにがんばったことにより報(むく)われました。

Dさんにとっては非常によい転職、大成功の転職だったと思います。

事例5:特許事務所の特許技術者志望→国内事務担当→弁理士資格取得→事業会社の知的財産部へ転職

これはEさんの事例です。

転職に至った理由・状況

Eさんは、大学の新卒者で特許技術者を目指して当事務所に就職。性格は温厚。

当初は特許技術者になる教育を受けていましたが、特許技術者の適性がなさそうということで、国内事務担当に配置換えになりました。

その後、Eさんは弁理士資格を取得し事業会社の知財部に転職→転職先は知名度の高い東証一部(当時)上場企業。

事業会社の知的財産部への転職による変化

Eさんは、転職先の知財部で弁理士としてバリバリ働いているようです。

転職前の自信がなさそうだった顔つきは、転職後に出会ったときには自信に満ちたものに変わっていました。現状からは当然ですよね。

コメント

Eさんの転職は、大成功であり、年齢が若くて準大手事務所出身の弁理士という経歴が有効に働いたと考えられます。

Eさんは、当事務所への就職当初の希望が叶(かな)わなかったものの、配置換えになった後に弁理士資格を取得した努力が報われた形となりました。

Eさんにとっては大成功の転職だったと思います。

事例6:特許事務所の特許技術者→事業会社の知的財産部へ転職

これはFさんの事例です。

転職に至った理由・状況

Fさんは、難関国立大学の新卒者で当初は事業会社への就職を希望→その希望が叶わず特許技術者を目指して当事務所に就職。性格は温厚。

特許技術者としての適性があり優秀であったがキャリアは2年ちょっとと短い。当事務所の待遇には満足できなかった様子。

その後、Fさんは事業会社の知財部に転職→転職先は、新卒時に相手にされなかった会社で知名度の高い東証一部(当時)上場企業。

事業会社の知的財産部への転職による変化

Fさんは、転職先の知財部では持前の実力を発揮して会社に貢献、待遇も悪くはなかったとのこと。

しかし、そこから特許事務所の特許技術者、大手企業の知財部勤務という職歴を武器にさらにランクが上の事業会社の知財部に転職。今はそこに落ち着いています。

コメント

Fさんは、新卒では相手にされなかった事業会社に、特許技術者としての2年程度とう短いキャリアであっても転職が叶いました。

さらにそこから上のランクの事業会社に転職できたのですから、最初の特許技術者としての経歴は、非常に有効だったと思います。

事例7:特許事務所の特許技術者→ランクが上の特許事務所の特許技術者へ転職

これはGさんの事例です。

転職に至った理由・状況

Gさんは、日本でトップクラスの国立大学出身の弁理士。関西の有名な事業会社から当事務所へ転職してきました。前職では弁理士資格を生かせなかったようです。性格は非常に温厚。

当事務所でのキャリアは10年程度。優秀な弁理士でした。

その後、Gさんはさらなるキャリアアップ・待遇のアップを目指していくつかの事業会社の知財部の求人に応募。

しかし、Gさんの年齢と弁理士としてのキャリアは、管理職クラスのポストが必要となるため、事業会社の求人希望とは合致せず転職は叶わず。

結局、Gさんは事業会社への転職を断念し、当事務所よりもランクが上の他の特許事務所へ転職。

他の特許事務所への転職による変化

Gさんの転職先の特許事務所と当事務所では、現状、Gさんの転職時点よりもさらに大きな格差が生じています。

コメント

Gさんは、事業会社への転職は叶わなかったものの、当事務所よりもかなりランクが上の特許事務所に転職できました。

これにより、おそらくキャリアアップ・待遇のアップの目的は達成されたでしょう。結果オーライだと思います。

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転職エージェントの利用

知財業界への転職、あるいは知財業界での転職をお考えの方、転職を成功させるためには当然ですが情報収集が大事です。

そのためには、個人と比較して圧倒的な情報量や転職ノウハウを有する転職エージェントに登録(登録は無料)し、そこから有益な情報やサポートを受けるのが確実で安心なやり方の一つだと思います。

転職エージェントは、登録すると転職相談に乗ってくれて、求人探しから面接対策、さらには転職にかかわる面倒な手続きまで、幅広いサポートをしてくれます。

あわせて読みたい ➡ 転職エージェントとは 利用するメリット・デメリット・注意点など

まとめ

事例1~7に挙げたA~Gさんは、私の在職中に一時的にも私が一緒に仕事していた実在の人達です。

A~Gさんはいずれも転職の成功者と言えるでしょう。また、転職の成功者として特別にピックアップした人達でもありません。

こうしてみると、知財のキャリアというのは、仕事をする上でも転職する上でも有力なキャリアと言えそうです。

なお、かつての職場の仲間のことをこのような場で発表するのは少し気が引けましたが、皆さん転職の成功者ですのでお許しい頂けると思います。

はるぼじ
はるぼじ

この記事を書いた人

元特許技術者

特許事務所で35年間勤務

国内・外国出願およびそれらの中間処理を担当

国内出願の担当件数は1,500件以上

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